MANUFACTURING PROCESS · 製作工程
The Craft
炎と釉薬が生み出す、七宝焼の製作過程
HOW IT'S MADE · 七宝焼ができるまで
七宝焼は、金属の下地に釉薬(ゆうやく)と呼ばれるガラス質の粉末を塗り重ね、高温の炉で焼き付けることで鮮やかな色彩を生み出す伝統工芸です。その工程は熟練した職人の手によって一つひとつ丁寧に行われます。
01
下絵・型起こしSketching & Shaping
まず銅板などの金属素材を用いて下地を整えます。作品のデザインをもとに、銅板を切り出し、曲げ加工を施します。型起こしの精度が最終的な作品の品質を左右します。
02
銀線掛け(有線七宝)Silver Wire Placement
有線七宝では、極細の銀線を曲げてデザインの輪郭を作り、下地に接着します。この銀線が釉薬の区切りとなり、緻密な模様を描き出します。髪の毛ほどの細い銀線を扱う技術は、長年の修練が必要です。
03
釉薬差しEnamel Application
ガラス質の粉末を水で溶いた釉薬を、細い筆や棒で一区画ずつ丁寧に塗り込みます。色の重なりや透明度を計算しながら、何層にも塗り重ねることで深みのある色彩が生まれます。
04
焼成Firing
800〜900℃の炉で焼き締めます。この瞬間、釉薬がガラス化し鮮やかな色彩が現れます。焼成の温度と時間の管理は職人の経験と感覚によるもの。炎に委ねたとき初めて、最も美しい色が生まれます。
05
研磨・仕上げPolishing & Finishing
焼成後、表面を砥石や紙やすりで丁寧に研磨します。釉薬差し→焼成→研磨を複数回繰り返すことで、光沢のある美しい表面が生まれます。最後の仕上げ研磨で七宝焼特有の深い艶が出ます。
06
完成Completion
職人が全工程をひとつひとつ手作業で行い、世界にひとつだけの作品が完成します。同じデザインでも炎の状態や釉薬の重なり方により微妙に異なる表情を持つのが、七宝焼の魅力のひとつです。